「あんだろ」こと船戸明里『Under the Rose』に激はまり中。
ヴィクトリア朝英国を舞台に繰り広げられるある貴族の一家の物語。誰もが思うでしょうが読後感はまさに『エマ』ミーツ『はみだしっ子』!
ここでは、『エマ』であえて描かれなかった影の部分がドラマの中心になっています。庶子(=愛人の子供)と嫡子である兄弟たちの葛藤、愛人であった母の死の謎、金に麻薬、強姦、階級制度、歪んだ性と愛。
濃いです。表紙もとっても妖しいです(個人的には表紙より中の絵のほうが生き生きしていて好きだけど)。
とはいえ、設定から予想されるステレオタイプなお涙頂戴ものとは一味違います。手に負えないほど暴力的な面と同時に、キャラクターたちは時々とても平和で、愛らしく、人間味のあるところを見せます(巻末のおまけまんがはその最たるところ)。この2面性のテンションが流麗な絵とともに物語をぐいぐいひっぱっていくわけで、年に1冊ずつの刊行ペースだそうですが、早く続きが読みたいよう!!
えーっとちなみにわたしはライナスくんとロレンスくん兄弟が大好きで。キレキャラ・ライナスくんとお菓子大好きな泣き虫ロレンスくんの可愛さっていったら、そりゃもう卒倒もの。メガネの屈折美少年・ウィリアムくんのほうが人気あるのかもしれないけど…。
物語は4巻まできたところで、貴族と関わった様々な女性たちの不幸が明らかになるにつれ、ロウランド伯爵家の子供たちは全員男性であることもあって、男性と女性の対比がかなりはっきりとしてきました。女ってなんなんだろうなあと考えさせられるものがあります。
もちろんヴィクトリア朝という舞台を存分に愛でるという視点も大アリ。
船戸明里先生HPのコメントを読みながら単行本を二度めの読み返し、なんて愉しみも。
ちなみに関連作として「あんだろ」の10数年後を描いた「はにろ」こと『Honey Rose』が以前の作品にあるんだそうです。読み手に混乱をきたすという理由でまだこちらは刊行されてないそうですが、うーんぜひ読んでみたいです。
2002年に「ミステリービィストリート」で始まった連載は、雑誌の休刊→WEB雑誌「スピカ」への生まれ変わり(?)にともない、現在も「スピカ」で続行中。「あんだろ」といくえみ綾『いとしのニーナ』連載とあって、生まれて初めてWEB雑誌を定期的に買ってます。ページのめくりがうっとおしいところはあるんだけど(だってぱらぱらーっと猛スピードでめくって目にとまった絵から読み出したりできないし)、210円てのはやっぱり安い。幻冬舎のマンガって、これまで不勉強であまりチェックしてなかったんですが、結構やるなーって感じです。
http://www.gentosha-comics.net/genzo/index.php
アンダーザローズ 1 (1) / 船戸 明里はみだしっ子 [文庫版:コミックセット] / 三原順