いまさらながら、椎名軽穂『君に届け』がおもしろい。
初恋のどきどき感を味わいたいなら、今一番読むべき作品かも。
椎名軽穂って、わたしにとっては、ドラマチックでまっすぐなセリフが際立って魅力的なマンガ家なのだ。
最初に「いいな」と思ったのは昔「デラマ」に掲載された『ロケット・ポケット』という短編で、ずいぶん長いこと切り抜きをとっておいていたくらい(今手元にないけど多分95年頃。じゅ、10年以上前か…)。
猫田鈴丸という作家志望の仮面浪人生と、直球の恋しかできないちょっとがらっぱちな女の子の恋を描いていて、セリフがひとつひとつこっぱずかしくなるほど切ない。
鈴丸からの置手紙のくだりなんて、実際にもらったらドンびきだけど、
椎名軽穂のマンガだとしみじみよい。
そういう不思議なマジックがあるんだなあ。
『君に届け』は、陰気すぎて友達がいない爽子とみんなの人気者・風早くんの恋を、爽子の心の成長と同じように、ゆっくりじっくり描く作品で、最初はキャラを立てようとするイマドキな感じが前面に出すぎている気がしてあまりぴんとこなかった。
でも「正攻法」しかできないという爽子の青臭さ、まっすぐさに、「これはやっぱり椎名軽穂のマンガだ」としかいいようのない魅力を感じつつある今日このごろ(遅いね)。
んで、単行本の半分をおおうとっても目立つ帯には毎回作中からいーいセリフが抜かれている。
うーんわかっとりますのう…。
ちなみに4巻の帯:
「すき すき すき
どうしたらいいか わからないくらい
風早くんがすき」
こ…殺す気ですか?!
「すき」が漢字じゃないところが、ミソかと。
「別冊マーガレット」に同タイトル読みきりで05年9月号に掲載後、06年1月号より連載中。
↓『ロケット・ポケット』収録。