少女マンガ史縦断計画
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1978年生まれ。

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入江亜季『群青学舎』2巻が出た。

本作は2006年の個人的ベスト1。
「コミックビーム」によると、
「時代や世界、思想・階級・文化を越えて、“学舎(まなびや)”とそこに集う人々を描く連ねる、色とりどりの読切連作シリーズ」。
よく言われているように24年組(特に萩尾作品)の血脈をはっきりと感じさせる王道なおもしろさがたまりません。
あと、1巻の「森へ」は坂口尚『竜巻を売る老人』を思い出したけれど、インタビューを読むとお好きなよう。

戦いでもなく、リアルなラブとかってんでもなく、
エッセイでもなく、お仕事でもなく、ペットでもなく…
でもその全部があって、ディテイルが凝ってて、
なんか心に残る、ちょっとした、たぶん絶対安全のファンタジー。
こういうのが、すーごくすーごく読みたかった!
ちょっとずつ食べられて、全部おいしいって、女子の夢みたいな作品。

2巻は、不細工な魔女っこの片思い、変人女子学生と生と死の出会い、クーデターにあった王女と敵とのアクション&ファンタジック・ラブストーリー、音痴だけど音楽好きの少年の部活動風景、ほれ薬話「ピンクチョコレート」続編を収録。

落ち葉や音楽、割れたコップに冬の空気、誰もいない校舎。いろんな顔の登場人物たちの魅力もさることながら、どっかで感じた切ない背景が描かれているような…。登場人物たちの部屋も、それぞれの性格を表していて楽しい。それでいて遠近上下左右ダイナミックに展開される画面構成で、王道ストーリーにもかかわらず、まったく飽きさせません。

これが少女マンガ誌ではなく、「コミックビーム」で連載されているというのが、やっぱり21世紀って感じなのかな。2004年から連載中。


短編連作、饒舌な画面構成ってことで思い出す黒田硫黄。新刊『あたらしい朝』は発売延期とのこと。何年先になっても待つけれど、あまり先にならないといいなあ。

群青学舎 一巻 群青学舎 一巻
入江 亜季 (2006/08/31)
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群青学舎 2巻 (2) 群青学舎 2巻 (2)
入江 亜季 (2007/06/25)
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私を月まで連れてって!―完全版 (6) 私を月まで連れてって!―完全版 (6)
竹宮 惠子 (2005/11/29)
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坂口尚短編集 (第1巻) 坂口尚短編集 (第1巻)
坂口 尚 (2000/12)
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マンガ関連の展覧会が夏はいくつか。

注目は世田谷文学館の「美内すずえと『ガラスの仮面』」展。
劇団「つきかげ」のメンバー、募集している…!?
演目は『女海賊ビアンカ』だって。あのときの話大好き。
ひとり芝居だけどなっていうファンの心の総つっこみにあってそうですが。
ポスター熱い。
http://www.setabun.jp/garasu.html

川崎市民ミュージアムの安彦良和原画展は、
作品数がすごそう。
安彦さんは、すべて筆で描いているってきいて
昔とても驚いたけど、原画みてみたいなあ。
http://www.add-system.co.jp/yasuhiko/top.html

ガラスの仮面 1 (1) ガラスの仮面 1 (1)
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機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 15 オデッサ編・前 (15) 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 15 オデッサ編・前 (15)
安彦 良和 (2007/05/26)
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いまさらながら、椎名軽穂『君に届け』がおもしろい。
初恋のどきどき感を味わいたいなら、今一番読むべき作品かも。

椎名軽穂って、わたしにとっては、ドラマチックでまっすぐなセリフが際立って魅力的なマンガ家なのだ。

最初に「いいな」と思ったのは昔「デラマ」に掲載された『ロケット・ポケット』という短編で、ずいぶん長いこと切り抜きをとっておいていたくらい(今手元にないけど多分95年頃。じゅ、10年以上前か…)。

猫田鈴丸という作家志望の仮面浪人生と、直球の恋しかできないちょっとがらっぱちな女の子の恋を描いていて、セリフがひとつひとつこっぱずかしくなるほど切ない。
鈴丸からの置手紙のくだりなんて、実際にもらったらドンびきだけど、
椎名軽穂のマンガだとしみじみよい。
そういう不思議なマジックがあるんだなあ。

『君に届け』は、陰気すぎて友達がいない爽子とみんなの人気者・風早くんの恋を、爽子の心の成長と同じように、ゆっくりじっくり描く作品で、最初はキャラを立てようとするイマドキな感じが前面に出すぎている気がしてあまりぴんとこなかった。
でも「正攻法」しかできないという爽子の青臭さ、まっすぐさに、「これはやっぱり椎名軽穂のマンガだ」としかいいようのない魅力を感じつつある今日このごろ(遅いね)。

んで、単行本の半分をおおうとっても目立つ帯には毎回作中からいーいセリフが抜かれている。
うーんわかっとりますのう…。
ちなみに4巻の帯:
「すき すき すき
どうしたらいいか わからないくらい
風早くんがすき」

こ…殺す気ですか?!
「すき」が漢字じゃないところが、ミソかと。


「別冊マーガレット」に同タイトル読みきりで05年9月号に掲載後、06年1月号より連載中。

君に届け 4 (4) 君に届け 4 (4)
椎名 軽穂 (2007/05/25)
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君に届け 3 (3) 君に届け 3 (3)
椎名 軽穂 (2007/01/25)
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君に届け 2 (2) 君に届け 2 (2)
椎名 軽穂 (2006/09/25)
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君に届け 1 (1) 君に届け 1 (1)
椎名 軽穂 (2006/05/25)
集英社

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↓『ロケット・ポケット』収録。
アナログアパート アナログアパート
(1996/08)
集英社

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今日「別マ」をじっくりと読んでいたら、「コーラス」に映画化記念で「天然コケッコー」特別編が載るとの予告。

「映画化スペシャル!そよと大沢、子供達の村の、のどかな1日をご紹介!」だって。

「別マ」では新連載の咲坂伊緒『ストロボ・エッジ』がよかった。学年1のモテ男子への初恋…みたいなよくある話なんだけど、ページを開いたときに画になーんか華があってかわいいです。

天然コケッコー (1) 天然コケッコー (1)
くらもち ふさこ (2003/08)
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くらもちふさこイラストレーションズ くらもちふさこイラストレーションズ
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咲坂 伊緒 (2006/11/24)
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マスカラブルース / 咲坂 伊緒
不精すぎて同人誌買いに行かない、とか、BLあまり読んでない、とかって理由で<腐女子>に引け目感じまくりの今日この頃。わたしのマンガ魂はまだまだヘタレだよ…うう。

とりあえず、この特集を読んですぐに『はつこいの死霊』を買いに走りました。

腐女子マンガ大系 腐女子マンガ大系
(2007/06/12)
青土社

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はつこいの死霊 はつこいの死霊
草間 さかえ (2004/11)
東京漫画社

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シュミじゃないんだ シュミじゃないんだ
三浦 しをん (2006/10)
新書館

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このブログタイトルは、萩尾望都作品集第一期シリーズ、通称「赤本」の第1巻『ビアンカ』に収録された『爆発会社』からとっています。

そう、第一期シリーズの第1巻なのです。1969年に発表された萩尾先生のデビュー作『ルルとミミ』から73年発表の絵物語『千本めのピン』までの短編9作を収録したこの1冊が、わたしにとってもすべての始まりだったといっても過言ではありません。マンガを読み始めた小学一年生のとき、友達に『ときめきトゥナイト』を借りるのとほぼ同時に父の本棚から赤本を取り出したからです。

デビューと同じ69年に描かれた『爆発会社』(発表は70年)は、21世紀を舞台にしたラブ・コメディ。なりたいもの、やりたいことがたくさんある女の子・ディビーの行く先々で爆発会社の爆弾さわぎが起こります。それは彼女の行く末を心配した母の差し金だったのですが、爆発会社の社長はすっかりディビーにメロメロで…?!

「ディビー ディビー きみは最高だよ くったくがなくてすなおで明るくて 短気で図々しくて」

以上は完全に女の子にイカれた爆発会社氏のセリフですが、かわいいだけじゃない、したたかなディビー嬢のおはなしは、当時わずか20歳だった萩尾嬢とともに、わたしにとってガールパワーの象徴のような存在です。

赤本は仕様が変わって白い表紙、通称「白本」へと変わりましたが、現在新刊で買うことはできない様子。『ビアンカ』はオンデマンドコミックスで購入することができます。

初期の萩尾作品といえば、昨年復刊・増補された『金銀砂岸』では、『訪問者』『メッシュ』を描いていた80年頃の作品を中心に、74年発表の『プシキャット・プシキャット』なども読むことができます。しかもカラーがたくさん。こうして素晴らしい、昔の傑作たちを本という形で手に入れるのが思いのほか面倒であるという事実を考えると、宇野亜喜良装丁のこの本も、早いとこ手に入れておいたほうがいいかもとか思ってしまいます。えっわたし?そりゃもちろんもっておりますです。

雑誌についていえば、萩尾先生のデビューは「なかよし」1969年夏休み増刊号で、しばらくは「なかよし」中心に活動されているのですが、60年代後半時点での「なかよし」についてはまた稿を改めてわたしなりに調べてみたいと思っています。

萩尾望都作品集 (1) 萩尾望都作品集 (1)
萩尾 望都 (1977/02)
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金銀砂岸 金銀砂岸
萩尾 望都 (2006/08)
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「あんだろ」こと船戸明里『Under the Rose』に激はまり中。

ヴィクトリア朝英国を舞台に繰り広げられるある貴族の一家の物語。誰もが思うでしょうが読後感はまさに『エマ』ミーツ『はみだしっ子』!
ここでは、『エマ』であえて描かれなかった影の部分がドラマの中心になっています。庶子(=愛人の子供)と嫡子である兄弟たちの葛藤、愛人であった母の死の謎、金に麻薬、強姦、階級制度、歪んだ性と愛。
濃いです。表紙もとっても妖しいです(個人的には表紙より中の絵のほうが生き生きしていて好きだけど)。

とはいえ、設定から予想されるステレオタイプなお涙頂戴ものとは一味違います。手に負えないほど暴力的な面と同時に、キャラクターたちは時々とても平和で、愛らしく、人間味のあるところを見せます(巻末のおまけまんがはその最たるところ)。この2面性のテンションが流麗な絵とともに物語をぐいぐいひっぱっていくわけで、年に1冊ずつの刊行ペースだそうですが、早く続きが読みたいよう!!

えーっとちなみにわたしはライナスくんとロレンスくん兄弟が大好きで。キレキャラ・ライナスくんとお菓子大好きな泣き虫ロレンスくんの可愛さっていったら、そりゃもう卒倒もの。メガネの屈折美少年・ウィリアムくんのほうが人気あるのかもしれないけど…。

物語は4巻まできたところで、貴族と関わった様々な女性たちの不幸が明らかになるにつれ、ロウランド伯爵家の子供たちは全員男性であることもあって、男性と女性の対比がかなりはっきりとしてきました。女ってなんなんだろうなあと考えさせられるものがあります。

もちろんヴィクトリア朝という舞台を存分に愛でるという視点も大アリ。船戸明里先生HPのコメントを読みながら単行本を二度めの読み返し、なんて愉しみも。

ちなみに関連作として「あんだろ」の10数年後を描いた「はにろ」こと『Honey Rose』が以前の作品にあるんだそうです。読み手に混乱をきたすという理由でまだこちらは刊行されてないそうですが、うーんぜひ読んでみたいです。

2002年に「ミステリービィストリート」で始まった連載は、雑誌の休刊→WEB雑誌「スピカ」への生まれ変わり(?)にともない、現在も「スピカ」で続行中。「あんだろ」といくえみ綾『いとしのニーナ』連載とあって、生まれて初めてWEB雑誌を定期的に買ってます。ページのめくりがうっとおしいところはあるんだけど(だってぱらぱらーっと猛スピードでめくって目にとまった絵から読み出したりできないし)、210円てのはやっぱり安い。幻冬舎のマンガって、これまで不勉強であまりチェックしてなかったんですが、結構やるなーって感じです。
http://www.gentosha-comics.net/genzo/index.php

アンダーザローズ 4 (4) アンダーザローズ 4 (4)
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Under the Rose(2)春の讃歌 Under the Rose(2)春の讃歌
船戸 明里 (2004/09/24)
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アンダーザローズ 1 (1) / 船戸 明里
エマ (1) エマ (1)
森 薫 (2002/08/26)
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はみだしっ子 [文庫版:コミックセット] / 三原順
84年から87年にかけて「ヤングマガジン」に掲載された小林じんこの初連載作品。

見知らぬ女の子を助けて、お尻に14針もの傷を負った辰吉。それから2年後、その女の子・もえが辰吉の同級生となって現れて…。運命の恋を時にドタバタと、時にロマンチックに描く、少女マンガもかくやの傑作ラブコメディ。

青年誌掲載ながら、後半はもえがほとんど主人公に。ケモノじみた生理時のいらいらや、親切にはっきり表明してやりたくなんか絶対ない恋愛のむかつきを、ここまで詳細に描いているマンガは少ないはず!と、いっても、かなり前衛的・比ゆ的な表現が駆使されてます。男子はこれ、読んでいてわかったのかな…と不安になるくらい。もやもやしたことがあると、なんとなく手にとってしまうマンガのひとつなのですが、女子こそこれを読んでほしい。わかってほしいことが全部あるから!辰吉くんて、ほんと王子さまだと思います。

タイトルはもちろんRCサクセションの『雨上がりの夜空に』から。フェリックスの時計のあるもえちゃんの部屋など、生活臭あふれる80年代フレーバーがいたるところにみてとれるのも楽しい。背景や脇のキャラだけを読むとまたアナザーストーリーが見えてきたりも。

ちょっとおもしろいのは描線のタッチ。強弱のない線は、80年代のヤンマガといえば、の望月峯太郎の『バタ足金魚』を彷彿とさせるのですが、『バタ金』の連載開始は85年。小林じんこのほうがちょっと先なんですね。となると小林じんこを経由して陸奥A子ら乙女ちっく少女マンガの線が青年誌に「輸出」されたのかも…なんて、妄想してみたくなります。


このマンガにも色々版がありわたしがもっているのは、オリジナルの「ヤンマガKCスペシャル」全五巻バージョン。下のはオンデマンド版。貼り付けといてなんだけど、オンデマンドのやつ、結構高いんだなあ。しかも在庫切れだ!オンデマンドなのに…。小林じんこのマンガが新品で本屋さんで買えないなんて、ちょっとさびしい。

風呂上がりの夜空に (1) オンデマンド版 [コミック] 風呂上がりの夜空に (1) オンデマンド版 [コミック]
小林 じんこ (2005/10/27)
講談社
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